ハコのかたち、素材や色味、造作物、または余白。空間を構成する要素は様々ですが、その中で、デザインを組み立てるベースとなるのがレイアウトです。
レイアウトとデザインを切り離して考えていたら、いい空間にはなり得ません。
席数を多くとる、機能性を持たせる、いろいろな都合が組み合わさって構成されていくレイアウト。その中で空間構成のちぐはぐを解消していく。なにを統一させるか、もしくはさせないか。どこで見せ場を作るか、もしくは作らないか。構成を考えながらレイアウトしていきます。
そこに現場に立つ人の経験や想像というエッセンスが加わり無限の可能性が生まれます。
そんなごたくを並べて、実例で説明。いつもの流れです。いくつかのパターンを挙げています。
●中央に機能を集結させる…機能的な導線を考えた結果に起きた「見せ場」をデザインのポイントにする。
店舗ど真ん中に機能を配置して、それを主張したデザイン。中央に位置するだけあってやはりそれがアイキャッチになります。
似た例が並びますが、主張の仕方は三者三様です。もちろん機能もそれぞれ違う。
-レセプションとロッカーを兼ね備えたもの。
グリッドで主張させてそれを囲うように照明をレイアウト。
-ディスプレイを備えたレセプションに、シンクや給茶など、スタッフの機能を完結させるアイランド。
カウンターより上には造作を作らず見通し良く。折り上げた天井で「四角」のレイアウトを主張しています。
-受付から待合、さらに会計の後にコーヒーまで楽しめるカウンター
余白を楽しんだレイアウト。空間の余裕はお客様に余裕を与えます。
●4本の柱を中心に席を囲う…変則的なレイアウトにより柱をダイナミックに魅せる意匠性と、目線の交差を解消。
-セット面の考えを改めて分解し、構成し直したレイアウト。対面席の際に起こる目線の問題を斜めという配置で解消しました。
●入口すぐにダイナミックなカウンター…シズル感をファサードから匂わせる。
-おまけで改装案件も。先日のブログのモルゲンさんとは違い、路面店を生かしたレイアウト。
あえて入ってすぐに狭く動線をとり、狭さが故の賑わいを生む。奥に進むと広いテーブル席があり団体にも対応している嬉しさ付きです。
こんな具合で、いろんな要素を従え、レイアウトは構成されています。
いいお店の共通点はオーナーの情熱にあると感じます。「どんな店にしたいか」その情熱さえあれば、いいお店は作れると思います。